2014.02.11
先日、歯科医の友人と舌癌の患者様についてディスカッションする機会がありました。
そこで話題にのぼった最近の口腔癌治療についてのお話を紹介します。
口腔癌は癌全体の約2%といわれています。
治療法には、従来から外科的切除、抗癌剤による化学療法、放射線療法があり、それぞれ単独あるいは併用療法が行われています。
例えば、口腔癌で一番多い舌癌の治療法。
←舌癌:明らかに普通の口内炎とは違います。
初期の癌のうちは外科的切除単独でも治療可能です。一般的には切除範囲が舌1/3以内ですめば重篤な機能障害もでません。
しかし、進行した癌になると外科的切除に化学療法や放射線療法を併用した治療になります。切除範囲が大きくなると、腕の皮膚や腹の皮膚などを用いた再建手術が必要なうえ、発音、嚥下といった機能に障害がでてしまいます。
そこで最近では癌に栄養を送っている舌動脈に直接抗癌剤を注入する『超選択的動注化学療法』が開発され、放射線治療と併用することで原発の手術(舌の切除)を回避することが可能となってきました。
通常、抗癌剤による化学療法は静脈から投与することが多いのですが、そうすると原発巣(癌)に到達するときには薬の濃度が薄まってしまいますよね。
でも『超選択的動注化学療法』であれば濃度の濃い抗癌剤を原発巣に送りこむことができるのです。
しかも、耳の前(浅側頭動脈)や耳の後ろ(後頭動脈)からカテーテルを挿入することで動脈内にカテーテルを留置することも可能になり、血管への針の抜き差しも最小限におさえられ患者様の負担も少なくなりました。
この治療法によって、原発巣の手術が回避され、食べる、話すといった機能を維持することができ、患者様のQOL(quality of life生活の質)が保たれれば最高ですよね。
当然、癌の病態や、糖尿病、動脈硬化など全身疾患の有無によってはすべての患者様に適応になるというわけではありませんが、確実に治療の選択肢が広がっているのは事実です。
いずれにしても癌は早期発見が大事です。幸い、我々の口腔領域はお腹の中と違い、いつでも目で直接確認でき、指で直接触れることができる場所です。
口内炎が2週間以上治らない場合は早期の受診をおすすめします。
2014.01.02
新年明けましておめでとうございます。
昨年中は格別のご厚情にあずかり誠にありがとうございました。
至らぬ点もあったと思いますが、患者様のご協力により当院も無事に新年を迎えることができました。
医療は日々進歩しています。
本年も患者様にいい治療を提供できるようスタッフ一同さらに精進してまいります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
2013.12.12
今年もあっという間に12月。
月日が経つのが早く感じるのは私だけでしょうか。
何かと忙しくなる師走。
疲れやストレスから口内炎が出現することがありますが、口内炎って本当につらいですよね。
今日は、口内炎についてのお話しを少し。
一般的にもっとも多いのが『アフタ性口内炎』。
赤い縁に囲まれた数mmから10mmぐらいの潰瘍が舌、歯肉、口唇、頬粘膜にできます。
多くはストレスや睡眠不足など免疫力低下、ビタミン不足、歯や不良な詰め物の刺激が原因と考えられています。
治療は従来から含嗽、ステロイド軟膏塗布、ビタミンB2,B6の投与、詰め物の調整などが一般的に行われていますが、いずれの場合も、痛みに対する即効性はありません。
このアフタ性口内炎はほとんどの場合1~2週間で治癒しますので、怖い病気ではありませんが、1~2週間痛みを我慢するのはつらいですよね。食事もつらいですし。。。
そこで痛みを早期にやわらげ、治癒期間を短くする治療を紹介します。
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)です。
治療照射時間は1~2分程度。少しチクチクしますが、多くの場合、麻酔はいりません。
粘膜表面が少し焦げた感じになります。
←当院のCO2レーザー
1、痛みをとる。
2、傷、炎症を早く治す。
3、免疫を高める。
以上、3大効果で口内炎を早く治します。
口内炎で痛みの強い方はいつでもご相談くださいね。
ただし、以上に述べたアフタ性口内炎以外にも、
ウィルス性口内炎(単純ヘルペス、帯状疱疹、手足口病など)、
真菌性口内炎(カンジダ)、
膠原病(ベーチェット病など)の一症状として出現する再発性アフタ、
口腔扁平苔癬という難治性口内炎、
白板症、紅板症(前癌病変)、
口腔ガン(舌ガン、歯肉ガン、口底ガン、硬口蓋ガン、頬粘膜ガン)
などいろいろな口腔粘膜疾患があり、中にはCO2レーザーが適当でないものもありますので、適切な診断が必要です。
2013.11.24
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